日本の未来を左右する移民問題、あなたは本当に知っていますか?
在留外国人296万人、外国人労働者172万人
——もはや日本は「移民と無縁の国」ではありません。しかし、私たちはこの現実にどれだけ向き合えているでしょうか。
本書は、明治時代のハワイ移民から現代の技能実習生問題まで、日本の移民史を網羅的に解説します。戦前ブラジルへ送られた19万人の「棄民政策」、満州移民27万人の国策の真実、そして在日コリアン60万人の複雑な歴史
——教科書では語られない過去の真実が、ここにあります。
さらに、カナダやシンガポールの成功例、ドイツやスウェーデンの失敗例を徹底分析。世界各国が試行錯誤してきた移民政策から、日本が学ぶべき教訓を明らかにします。難民認定率わずか0.4%という日本の厳格すぎる基準、入管収容の長期化問題、外国人技能実習生35万人が直面する労働環境
——これらの課題に、私たちはどう向き合うべきでしょうか。
本書の特徴は、生物学や心理学の知見も取り入れた多角的アプローチです。渡り鳥の移動戦略、サケの母川回帰、人類のアフリカ脱出
——生物の移住本能から、人間社会の移民現象を読み解きます。
人口減少年間50万人の時代、2050年には外国人比率10%に達すると予測される日本。AI技術の発展、地方創生、少子高齢化対策
——これらすべてが移民政策と密接に関わっています。
77の必須知識で、感情論を超えた冷静な議論の土台を提供します。
未来の日本社会を考えるすべての人に贈る、必読の一冊です。
【もくじ】
第1章:日本の移民史 – 知られざる過去の真実
・明治時代の15万人ハワイ移民が築いた日系社会の基盤
・戦前ブラジル移民19万人が体験した「棄民政策」の実態
・満州移民27万人送出が隠した国策移民の真の目的
・戦後引揚者660万人の帰国が日本社会に与えた衝撃
・在日コリアン60万人の歴史と複雑な法的地位の変遷
・中国残留孤児2800人帰国事業に隠された戦争の傷跡
・1990年入管法改正で始まった日系人労働者37万人の時代
・ベトナム難民1万1000人受入れで露呈した日本の難民政策
・研修・技能実習制度30年の歴史と制度変遷の背景
・外国人登録法から住民基本台帳法への歴史的転換
・朝鮮通信使500年の交流史に学ぶ多文化共生の原点
・戦前の外国人労働者4万人朝鮮人炭鉱労働の実態
第2章:現代日本の外国人事情 – 統計で見る実態
・在留外国人296万人突破が示す日本社会の変化
・外国人労働者172万人の内訳と産業別分布の実態
・技能実習生35万人の出身国別構成と地域格差
・留学生28万人の実態と「偽装留学」問題の深刻度
・永住者81万人が日本に定住を決めた理由
・特定技能制度開始3年で見えた成果と課題
・外国人の生活保護受給4万7000世帯の現実
・国際結婚2万1000組の現状と離婚率の高さ
・外国人犯罪1万4000件の実態と報道との乖離
・日本語学校800校乱立が生む教育格差問題
・外国人集住都市28自治体の取り組みと課題
・ハーフ・ダブルの子ども年間2万人誕生の社会的意味
第3章:移民政策の成功例 – 世界が学ぶべき事例
・カナダのポイント制移民制度50年の進化と成果
・オーストラリア技能移民制度の厳格な選別システム
・シンガポール外国人労働者140万人管理の精密システム
・台湾の外国人介護士27万人制度の成功要因
・ニュージーランド起業家移民制度の革新的仕組み
・スイス国民投票制移民政策の民主的合意形成
・デンマーク統合政策の徹底した言語・文化教育
・中国系移民5000万人が世界に築いたネットワークの力
・ユダヤ系移民が各国で成功する教育重視の文化的要因
・インド系IT移民がシリコンバレーで築いた3割CEOの実績
第4章:移民政策の失敗例 – 教訓となる事例
・ドイツ「ガストアルバイター」600万人受入れの想定外結果
・フランス郊外移民集住地区の社会分離と暴動の背景
・イギリス多文化主義見直しに至った統合失敗の要因
・スウェーデン難民受入れで生じた治安悪化と社会分裂
・オランダ寛容政策から転換した移民統合政策の教訓
・欧州移民危機2015年が各国政治に与えた分裂の影響
・アメリカ不法移民1100万人問題の政治的対立
・韓国外国人労働者制度の労働争議多発と制度疲労
・湾岸諸国カファラ制度による外国人労働者の人権問題
第5章:制度と法律 – 複雑な入管制度の実態
・在留資格29種類の複雑な分類システムの全貌
・永住許可要件「10年ルール」の例外と実際の運用
・難民認定率0.4%が示す日本の厳格すぎる基準
・入管収容平均300日の長期化問題と人権課題
・強制送還年間3000人の実態と送還忌避問題
・仮放免者3000人の法的地位と生活困窮の実態
・帰化許可年間9000人の厳しい審査基準
・外国人起業家への「経営・管理」ビザ500万円投資要件
・高度人材ポイント制度1万人利用の効果と課題
・不法滞在者8万2000人の実態と摘発システム
・外国人技能実習機構監督指導4000事業所の結果
・地方出入国在留管理局61箇所の業務と地域格差
第6章:生物学・心理学から見る移住の本質
・渡り鳥500億羽の大移動に学ぶ生存戦略の知恵
・サケの母川回帰99%精度が示す故郷への帰属意識
・類人猿の集団移住で見る縄張り意識と排他性の起源
・蟻のコロニー拡張戦略に学ぶ段階的統合の重要性
・植物の種子散布1000km移動が教える適応と多様性
・人類7万年前アフリカ脱出の遺伝子解析が語る移住本能
・言語習得の臨界期仮説が移民統合に与える示唆
・文化的アイデンティティの二重性を示す脳科学研究
・集団心理学が解明する内集団・外集団の偏見メカニズム
・進化心理学が示す互恵的利他主義と移民受入れの関係
第7章:未来への展望 – 日本社会の選択
・人口減少年間50万人時代の外国人材依存度
・AI・自動化技術と外国人労働力の代替関係
・地方創生と外国人材年間5万人地方定住の可能性
・少子高齢化対策としての移民政策年間20万人受入れ論
・多文化共生社会実現のための予算年間100億円の妥当性
・次世代育成と外国ルーツの子ども10万人の教育投資
・経済成長率1%押し上げに必要な外国人材数の試算
・外国人参政権問題30年議論の変遷と現状
・災害時外国人支援多言語情報発信の準備状況
・外国人の社会保険制度持続可能性への影響分析
・国際競争力維持に必要な高度人材年間10万人誘致戦略
・2050年日本社会外国人比率10%時代への備え