日本列島に刻まれた災害の記憶——それは未来への警告である
地震大国、火山列島、台風銀座
——日本は世界でも稀に見る災害多発国です。マグニチュード9.0の東日本大震災、高さ38.2メートルの明治三陸津波、5098名の犠牲者を出した伊勢湾台風。私たちの国土には、数え切れないほどの災害の記憶が刻まれています。
本書は、日本の災害史を77の重要事例から徹底解説します。関東大震災のわずか4分間で東京を壊滅させた衝撃、阪神・淡路大震災で判明した直下型地震の真の脅威、熊本地震で覆された活断層の常識
——過去の災害から得られた教訓は、決して風化させてはならない知識です。
津波の速度は時速700キロメートル、火砕流は時速100キロメートルで襲来します。避難できる時間は限られています。「津波てんでんこ」という三陸地方の教え、津波避難ビルの指定基準、ハザードマップの正しい読み方
——これらの知識が、あなたと家族の命を守ります。
御嶽山の水蒸気爆発、雲仙普賢岳の火砕流、三宅島の全島避難4年5か月
——火山災害の予知の困難性と避難判断の重要性を、具体的な事例から学びます。
さらに、線状降水帯による豪雨災害、熱海土石流が問うた盛土規制、都市型水害の地下街浸水リスク
——現代社会が直面する新たな災害リスクにも焦点を当てます。内水氾濫と外水氾濫の違い、垂直避難と水平避難の使い分け、避難情報の5段階レベルの意味——実践的な防災知識を分かりやすく解説します。
過去の災害は、未来への教訓です。この一冊で、日本の災害史を知り、明日の備えに活かしてください。
【もくじ】
第1章:地震災害 – 列島を襲った衝撃
・関東大震災が東京を壊滅させた4分間の恐怖
・阪神・淡路大震災で判明した「直下型」の真の脅威
・東日本大震災のマグニチュード9.0が意味する驚愕の事実
・濃尾地震で発見された活断層調査の重要性
・兵庫県南部地震が変えた建築基準法の3つの重要項目
・新潟地震で初めて確認された液状化現象の恐怖
・福井地震が生んだ震度階級見直しの歴史
・十勝沖地震が教えた津波の到達時間20分の法則
・日本海中部地震で明らかになった遠地津波の危険性
・北海道南西沖地震・奥尻島を襲った高さ30mの津波
・新潟県中越地震で証明された中山間地の脆弱性
・能登半島地震が示した過疎地域の災害対応課題
・岩手・宮城内陸地震で記録された世界最大加速度の衝撃
・熊本地震で覆された「活断層の常識」
・大阪府北部地震で露呈したブロック塀の危険性
・北海道胆振東部地震が引き起こした全域停電(ブラックアウト)
・福島県沖地震で再確認された余震の長期継続リスク
第2章:津波災害 – 海からの巨大な脅威
・明治三陸津波で記録された高さ38.2mの日本最大津波
・昭和三陸津波が生んだ津波警報システムの始まり
・チリ地震津波で学んだ遠地津波の22時間後到達
・日本海中部地震津波が変えた津波避難の常識
・奥尻島津波で判明した津波の陸上遡上2kmの記録
・東日本大震災津波の浸水面積561km²が示す規模
・津波堆積物調査で発見された過去3000年間の巨大津波
・津波てんでんこ – 三陸地方に伝わる避難の教え
・津波の速度時速700kmが示す避難時間の限界
・津波高と遡上高の違いが生む避難判断の誤り
・津波火災で失われた気仙沼の40%の建物
・防潮堤の想定高10mを超えた津波の教訓
・津波避難ビルの指定基準が変わった理由
・津波警報の色分け表示に隠された避難行動の心理学
第3章:火山災害 – 地下からの猛威
・富士山宝永噴火で江戸に降った火山灰5cmの記録
・浅間山天明噴火が引き起こした天明の大飢饉
・磐梯山噴火で消失した5つの村と山体崩壊の脅威
・桜島大正噴火で陸続きになった島の地形変化
・雲仙普賢岳で発生した火砕流の時速100kmの恐怖
・有珠山噴火で実証された火山予知の可能性
・三宅島噴火で全島避難4年5か月間の長期災害
・御嶽山噴火で明らかになった水蒸気爆発の予知困難性
・口永良部島噴火で実施された全島避難の判断基準
・草津白根山噴火で犠牲となった1名の教訓
・火山灰が航空機に与える2兆円規模の経済損失
・火山性地震の回数1日1000回が示す噴火の前兆
・火山ガスによる死亡事故が多発する理由
・火山泥流の到達距離60kmが示す避難範囲
・降灰による農業被害1000億円の経済インパクト
第4章:風水害 – 台風と豪雨の猛威
・室戸台風で記録された最大風速60m/sの破壊力
・伊勢湾台風で判明した高潮の恐ろしさと死者5098名の教訓
・第二室戸台風が変えた台風進路予測の精度
・平成30年7月豪雨で発生した6971箇所の土砂災害
・令和元年東日本台風で決壊した142河川の氾濫被害
・昭和57年長崎大水害で記録された時間雨量187mmの記録
・平成26年広島土砂災害で明らかになった深夜避難の危険性
・熱海土石流災害で問われた盛土規制の重要性
・線状降水帯の発生メカニズムと予測の困難性
・都市型水害で浸水した地下街の避難困難性
・内水氾濫と外水氾濫の違いが生む被害の特徴
・ハザードマップの浸水想定1000年確率の意味
・避難勧告から避難指示への変更が示す緊急度
・垂直避難と水平避難の使い分け判断基準
・早期注意情報の発表タイミング5日前の根拠
第5章:その他の災害 – 多様な自然の脅威
・昭和38年豪雪で記録された積雪深318cmの驚異
・平成18年豪雪で発生した雪下ろし事故152件の教訓
・雪崩災害で失われた50名の命と予防対策
・関東大震災後の火災で焼失した面積34.7km²の被害
・酒田大火で学んだ強風時の延焼防止策
・函館大火が変えた都市計画と防火対策
・竜巻の発生件数年間25個と被害の特徴
・突風被害で倒壊した建物の構造的弱点
・干ばつによる取水制限50%の生活への影響
・渇水で露出したダム底の40年ぶりの光景
・天明の大飢饉で人口が92万人減少した歴史
・天保の大飢饉が引き起こした社会不安と一揆
・冷害による米の不作率74%が示す食料安全保障
・地すべりで移動した土砂2400万立方メートルの規模
・がけ崩れ危険箇所52万箇所の全国分布
・複合災害が示す現代防災の新たな課題
